日本の小説

赤めだか

めっちゃ面白いです。爆笑の連続です。立川談志さんの言葉が重い。談志さんが厳しくもとてもキュートに描かれてて魅力が満載です。 赤めだか (扶桑社文庫) 作者: 立川談春 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2015/11/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログ …

友情

主人公が惚れている杉子の言動に過去の自分の恋愛におけるうまくいかなかった際の異性の言動が重なり読んでいて辛くなる。ひたむきに杉子を思い、ちょっと優しくされると舞い上がり幸福になる主人公に共感するとともに打ちのめされる姿になんとも哀しくなり…

ノルウェイの森

主人公が思いを寄せる女の子の思考は、うまく言い表せない分痛いほど伝わってきた。あの世とこの世の間で揺れているような話でした。 ノルウェイの森 上 (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2004/09/15 メディア: ペーパーバック …

舞台

舞台作者: 西加奈子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/01/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (10件) を見るNHKで椎名林檎さんと西加奈子さんの対談があり、過去に何冊か読んでたのですが、久々に読んでも見ようかなと、あらすじ等をネットで見てい…

雪の練習生

雪の練習生 (新潮文庫)作者: 多和田葉子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/11/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見るドラえもんの世界では22世紀からやった猫型ロボットのドラえもんを見ても、誰も驚いたりせず普通の人として接している(…

猫とあほんだら

猫とあほんだら (講談社文庫)作者: 町田康出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/07/15メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見るパンクとシャンティーという新しい猫が家族になってにぎやかに。そして熱海に引っ越しててんやわんや。 読んでいて、猫…

ニキの屈辱

ニキの屈辱 (河出文庫)作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/06/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るニキが見ることが仕事の写真家で見られることを避けていたから避けられなかった結末はロジックとしてわかるけど…

嫌われる勇気

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え作者: 岸見一郎,古賀史健出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2013/12/13メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (76件) を見る町田康さんが何かのインタビューで人間の悩みのほとんどは…

お目出たき人

お目出たき人 (新潮文庫)作者: 武者小路実篤出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1999/12/27メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 32回この商品を含むブログ (29件) を見るこれを笑うことに後ろめたさを感じない人とは仲良くできない気がする。 自意識過剰のそのタ…

漂砂のうたう

漂砂のうたう (集英社文庫)作者: 木内昇出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/11/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る直木賞受賞作で花魁ものといえば吉原手引草が思い浮かびますが、こちらも面白いです。一流どころではなく二流どころの遊郭…

濹東綺譚

ぼく東綺譚 (新潮文庫)作者: 永井荷風出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1951/12/27メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (37件) を見る小説と小説ない小説が良い具合に対比させられています。 男女の出会いの場面など情緒にあふれています。

鳳仙花

小田原の川崎長太郎小屋跡に行った。付近の商店街は少しさびれていた。小屋跡はもともとの場所から移されているようで、それはもはや跡ではないのでは、と少しわびしい気持ちになった。小屋跡近くの小さいトンネルをくぐるとすぐ海岸に出れる。何もない日本…

黒髪・別れたる妻に送る手紙

好きになった女の手のひらで転がされる男の滑稽さが面白い、というと、少し語弊がある気がする。その手のひらからはみ出しそうになると、とたんに恐怖(狂気?)を女性は感じるのではないだろうか。男はひたむきにそして紳士にしているつもりが本人は気付か…

スピンク日記

スピンク(犬)目線で語られる主人ポチ(著者)との生活。犬目線というワンクッション置いているから柔らかくかつ客観的でこういうのもありですね。スピンク日記 (講談社文庫)作者: 町田康出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/04/15メディア: 文庫この商品…

寒灯・腐泥の果実

寒灯・腐泥の果実 (新潮文庫)作者: 西村賢太出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/11/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る秋恵と交際期間の短編集。秋恵に暴言を吐きながら、時に反発されてもさらに言い返し、それでも関係が続いて終わること…

苦役列車

苦役列車 (新潮文庫)作者: 西村賢太出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/04/19メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 85回この商品を含むブログ (45件) を見る西村さんの小説の中では、「苦役列車」は女性以外の人と仲良くなろうとする気持ちが描かれていて、…

群像12月号

群像 2013年 12月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/07メディア: 雑誌この商品を含むブログ (5件) を見る町田康の新作「文久二年閏八月の怪異」を読みたかったので思わず買ってしまいました。短編ですが町田康のエッセンスが濃縮されており、…

狂い凧

狂い凧 (講談社文芸文庫)作者: 梅崎春生出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/10/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る人の運命は、ちょっとした風で絡まり操作不能になってしまう。 戦争を体験した人が書く戦争ものは、含蓄があり、体験した…

いねむり先生

いねむり先生 (集英社文庫)作者: 伊集院静出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/08/21メディア: 文庫この商品を含むブログ (10件) を見る色川武大のファンなので、主人公の心の立ち直りよりも色川さんの言動を追いかけるような読み方をしました。作中の登場…

縫製人間ヌイグルマー

縫製人間ヌイグルマー (角川文庫)作者: 大槻ケンヂ,D[di:]出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/08/25メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (13件) を見る面白いんだけれど、ちょっと長い。。でもラ…

あたしはビー玉

あたしはビー玉 (幻冬舎文庫)作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2013/08/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る少女マンガのようなファンシーな作風。ビー玉が、小説だからこそできる表現で書かれているのでとても想像力をか…

悪と戦う

「悪」と戦う (河出文庫)作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/06/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る最初の2章と以降の章で語り手が変わり小説の内容も大きく変わる。いやでも読んでいると頭が柔らかくなります。内…

アレグリアとは仕事はできない

アレグリアとは仕事はできない (ちくま文庫)作者: 津村記久子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/06/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (6件) を見る主人公がプリンタにキレまくる話。機械に感情や気分はないだろうけど、ずっと使っていると調子に波…

エロ事師たち

エロ事師たち (新潮文庫)作者: 野坂昭如出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1970/04/17メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 161回この商品を含むブログ (38件) を見る猥雑ですが語り口調がとても読んでいて心地よいです。

二度はゆけぬ町の地図

二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)作者: 西村賢太出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/10/23メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 94回この商品を含むブログ (28件) を見る短編集。著者の若かりしころの彼女がいない時代の話で…

人もいない春

人もいない春 角川文庫作者: 西村賢太出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2012/10/01メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る「悪夢」「赤い脳漿」が特に面白かったです。「悪夢」は私小説とは異なりネズミが主人公。人に虐げられるネズミを…

谷崎潤一郎犯罪小説集

谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2)作者: 谷崎潤一郎,くまおり純出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/12/14メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 21回この商品を含むブログ (18件) を見るおもしろい。こういったミステリー要素の強い作品もあるのです…

痴人の愛

痴人の愛 (新潮文庫)作者: 谷崎潤一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1947/11/12メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 123回この商品を含むブログ (226件) を見る主人公の譲治と譲冶が育て上げた妖艶な美女ナオミ。譲治が手厚く育てるためわがままが次第にエ…

恐婚

恐婚 離婚作者: 色川武大出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/09/20メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る直木賞受賞作の離婚の続編。身勝手な元女房とすっきりしない性格の元旦那の元夫婦とその周りの人々がユーモアに描かれています。元…

花のさかりは地下道で

[rakuten:rakutenkobo-ebooks:10708987:detail] kindle版を購入。絶版になっている本がダウンロードで購入できるというのは大変うれしい。 花のさかりは地下道で、赤い灯、故人、同年、あたりがよかった。戦後からしばらくたっても、戦後の貧しさからうまく…