うたかたの日々・かいじゅうたちのいるところ

うたかたの日々 (ハヤカワepi文庫)

うたかたの日々 (ハヤカワepi文庫)

序盤は退屈だなーと思ってたら、最後の方の狂いっぷりがナイスナイス。
ピアノカクテルやら、心臓抜き機械とか、幻想的な品々がところどころに出てきて、日常とは少しのずれだからこそ、余計に不思議な雰囲気を作り出している。
主人公の心持や状況が悪くなるに従って、周囲の世界も影響を受けてどんどん悲惨になっていくのも、メルヘンチックで良い。
ドグラ・マグラに書いてあった、現実では、現実の状態に合わせて、気分が変化していくのに、
夢の中では、気分に合わせて、夢の内容が変化する、ってあって、それを思い出した。
まるで夢の中のような物語。
余談、本当は新潮社から出ている、日々の泡が読みたかったのだけど、本屋になかった。。

かいじゅうたちのいるところ
個人的には結構好きだった。たぶん原作の絵本では、かいじゅうたちの島は、夢の中の出来事って設定で、
だから、主人公の男の子が島に行くまでの現実の出来事や会話が、島のかいじゅうたちの行動や会話にあらわれてて、
主人公が自分のしてた行動言葉気づき、少し成長して現実に戻るっていう話で、これも夢の中では、気分に合わせて夢の内容が変化する、の一つではないかなぁ。ただ映画では夢の中の出来事って扱いではなかったから、そこは分かりづらく残念。
でも伝えたいことの伝え方は良かったと思う。
最後の方でダグラスってかいじゅうがシュールでおもしろかった。
終わり方があっさりしすぎてたって思うかもしれないが、そこは想像力を働かせれば、問題なし、絵本ってそもそもそういうものだし。
絵本のようなファンタジックさをそのままに良くできてたと思う。