私とは何か

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)

ドーンで出てきた分人主義について解説されてあります。
個人というのは個々の分人の集合で、中心があるわけではない、という説明には、福岡伸一さんの本で生命とは個々の細胞の動的平衡により成り立つ、というようなことが書いてあったのを思い出して、体も心もそう捉える事ができるのは面白いなと思いました。
途中読んでいて、恋愛で別れた後にぽっかり穴が相手自分の一部が死んだ気持ちになるのは、その人との分人が死んで行くからか、と思っていたら後半に恋愛について書かれておりまさに!と共感しました。

ただ自分が一人でいる時も誰かの分人が入れ替わり立ち替わり出てくる、と書いてありましたが、たとえば自分が自分(一つの分人)を見つめる時の見つめている自分は?何だろうと。それも分人なのだとしたら、自分の中の分人同士もある種コミュニケーションができてさらに分人が…と考えれるような。個々の分人が混ざり合う分人多元主義とはこういうことなかのか。

気をつけたいのは分人の考えとても腑に落ちるのですが自分にだけ適応すると言い訳になりそうなので、相手もそうなのだと捉えてみないといけないですね。