ペンギンの憂鬱

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)

物事の表面のみにかかわり、自分の知らないところで何やらヤバそうなことが行われている組織に巻き込まれた主人公。憂鬱症の物言わぬペンギンと同様、主人公は関係する人々に詰問はせず、ただ現状を享受する。
舞台となったウクライナのイメージか、全体的に雪に閉ざされたような閉塞感と疎外感があり、物事に向き合わないというより、物事の種類は別として一人の人間からすると周りの人々や社会に対して似たような錯覚を持つことがあると思えた。