テスト勉強継続中。

ちょっと前にリチャード・ブローティガン不運な女を読みました。
実は文庫が出るまで読むのは控えておこうと思ってたのですが、、冬休みに図書館で借りてよんだブローティガンのほかの小説達が非常に素敵で面白かったので、こっちに戻ってくる時についでに本屋で買って帰ったわけです。

ぼくは最近日記をつけているのですが、その原因はこの本によるところが大きいです。
こんなたわいもなく、こじゃれた日記を書きたいと思って書き始めました。

この小説は、ある不運な女のことを書こうとしているのになぜか一向にそのことについてかかれない日記です。タイトルや話の流れからしてストーリーの一番のなぞ、話の核が不運な死を遂げた女の話であるはずに、日記の著者はいつものそのことの表面だけふれて別のたわいもない話を記しています。

手品に、例えば右手で客をひきつけておいて、左手で何かこそこそ仕込んでおいて客を驚かせたりするようなものがあります。この小説はなんかそんな感じなんですよね。

手品の目的は客を驚かせること、楽しませることにあるわけですよね。
またその手品のオチに辿り着くまで客はワクワクさせ期待します。それで予想を裏切るオチが来た時はもうたまらないわけです。
つまり読者は不運の女の話をもちろん期待して読むわけですが、それについては一向に語られず、別の話が語られます。まだかまだかと期待させておいて、いつの間にかページが減っていく。
しかし作者は少しずつ思い出したかのように不運な女について触れているので、こっちはなんとなくの概要はわかるような、わからんないようなもやもやした感じでいる。カードを使う手品というのは分ってるのだけれど、タネはそれ以上分らないみたいな。

そんなわけで確かに物語の中心は不運な女のですが、そのことには触れずに終わっていきます。なんか意味のないことをしているな気がしますが、この日記みたくカッコイイ日記が書きたい以上です。

ちなみにブローティガンの小説は好きなものが多いのですが、一番はハンバーガー殺人事件です。
あれは面白かった。再版されないかなぁ〜

不運な女

不運な女