古川日出男

ベルカ、吠えないのか?

ベルカ、吠えないのか?

軍用犬の血縁歴史。いろいろな犬の因縁が巡り合う。おもしろい。
犬の話であり、歴史ものであり、戦争ものでもある。犬の世代関係は人間よりも数倍のスピードで進んでいくので、たくさんの犬が出てきて一頭一頭に思い入れはできないけど、その分非常にテンポ良くストーリーが進むので読んでて飽きない。なんだか読んでてサガフロンティア2を思い出しました。あとニール・スティーヴンスンのクリプトノミコン。あの話の暗号の役割が犬みたいな。まぁうろ覚えで全然似通ってないかもしれません。

古川日出男さんの作品は、以前LOVEも読みましたが、疾走感のある文体で勢いがあり、非常に読むのが苦痛じゃない。すらすら読める。


LOVE

LOVE

個人的にはLOVEのほうが好きです。東京という都市のいくつかの断片にスポットを当てると、様々な人間が生きていていろいろな出来事が起きている。それぞれ関係してたりしてなかったり。連作短編のような形で書かれています。一つの都市の中で様々な人々が微妙に関係しながら、それぞれから見る東京という都市を生きているんだっていうことを3次元的に感じた。最後のシーンはその全体を繋げているようで印象的でした。