生物と無生物のあいだ

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

個人的に新書は当たりはずれが激しい気がします。おもしろいのはおもしろいけど、本によっちゃタイトルのインパクトだけだったり、やたらくどかったり、興味ある分野の本だったら専門書に比べて内容が薄いし。。。

しかし生物と無生物のあいだは当たりも当たりで、こりゃ新書云々以上のおもしろさでした。

ただ理論的に説明してあるのではなく、作者の経験を元にちょっとした歴史ものな感じです。ていうか文章がうまいというか、読んでて次が気になる。

動的平衡という考えかたが気に入ってます。
食べ物を食べたら栄養を吸収し、いらないものを排泄する。当たり前のことでマクロな視点では分ってるけど、それがミクロな視点、分子レベルで起こっているってことは意外と意識しない。

サークルとかも当てはまると思います。古い人間(卒業生)が出て行き、新しい人(新入生)が入る。サークルはそこに変わらず存在し続けるけど、中身は常に入れ替わっている。細胞が常に入れ替わっているように、バタフライ効果とまではいかないですが、一つ一つの小さな行動や言動が少しづつ影響しあって、その小さなこと一つ一つが起きては忘れられていき、変化していく。でもサークル(という枠)はずっとある。不思議。諸行無常ですな。ではサークルをサークルたらしめるものはなんなのだろうか。
そもそもそんな小さな流れを意識することがないです。がその流れがサークルの意志なのかな。

最後のほうは結構専門的な内容になり難しいです。

そして、人間の細胞というのは、1+1=2ではなく、3や4になるというのはとても興味ぶかいです。