銀河鉄道の夜
- 作者: ますむらひろし,原作:宮沢賢治
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 1995/03/30
- メディア: 文庫
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銀河鉄道の夜の第三形態と最終形態が併載されています。もとは口語体かつ断片的な文章なので正直読みづらいですが、漫画だと絵なのでとても理解しやすいです。
多くを語らない会話は絵と合わさることで読めば読むほど魅力を増しています。
個人的にはブルカニロ博士が登場する第三形態が好きです。
「おまえのともだちがどこかへ行ったのだろう。あのひとはね、ほんとうに今夜遠くへ行ったのだ。おまえはもうカムパネルラをさがしてもむだだ。」
「ああ、どうしてなんですか。ぼくはカムパネルラといっしょにまっすぐ行こうと云ったんです。」「あぁ、そうだ。みんながそう考える。けれどもいっしょに行けない。そしてみんながカムパネルラだ。…」
最終形態でブルカニロ博士が消えたのは、妹の死や親友の離別のようなものが原因と解説に挙げられていますが、
つまりはブルカニロ博士もカンパネルラであり、いつまでも一緒にいられないということで、
悲しいような新しような、現実に向かっていかねばらないんだという覚悟を感じます。