叫び声

叫び声 (講談社文芸文庫)

叫び声 (講談社文芸文庫)

青春の黒い影とでも言ったらよいのか、難しい。中上健次の19歳の地図やサリンジャーライ麦とか思い出した。ただ本作は、一人で閉じているのではなく、3人の少年の中で投じている。その観点でみると面白い。

もう倒錯し不安定で内弁慶でうじうじしてやがってこの餓鬼ども、と取るか、まだ幼い子どもが必死になって叫び声をあげている受け取るか。誰でもこういう時期はあったんではないかな。自分もかつて幼かったことを忘れている大人にはなりたくないです。