完全なる首長竜の日

ミステリーはあまり好きではないけれど、あとがきを読んでみると、ちょっとSFぽいらしくさらにサリンジャーについて言及されているので、読んでみました。
あとがきにも書いてあるけど、筒井さんのパプリカやP・K・ディックのユービックなどを思い出した。あと攻殻機動隊笑い男とか。もちろんサリンジャーナインストーリーズも。あきらかに上記の影響を受けていると思われるし、落ちなんてユービックのオマージュといっても良いかもしれない。でも面白かった。ディックの小説を読んだ後のような、これは本当の現実なんだろうか、という疑いを抱いてしまう怖さがあるし、文章も読みやすくまた登場人物の性格に無理がないのが良い。現代版パプリカでありユービック。最近こういう刺激的なSF小説を読んでいなかったので面白かった。