レール

今年に入ってからバイトの関係で、電車によく乗ります。そりゃあ乗らない日の方が少ないぐらいにです。バイトに間に合うように行くには、当然いつも同じ時間の電車に乗り遅れないように駅に行かないといけません。なのでプラットホームで待つ時間が、トータルで考えると結構多い。そのときといえばたいていボーっとレールや景色を見ています。この時間が結構好きで、行きかう車ばかりの道路と違い、電車ごくたまにしか通らないので、その何にもない空間がなんか癒されます。でそこに忽然と現れるわけです。電車は駅にしか止まらない。それがいい。

特にぼくの地元の新幹線駅はこだましか停車しないので、ひかりやのぞみは通り過ぎていきます。
ぼくがこだまを待っている時に、突然新幹線が轟音をたて猛スピードで通り過ぎ、そしてすぐまた静寂が戻る、そんな空間が非常に好きで。

最近までは近くの駅は菜の花がたくさん咲いていて綺麗でした。しかしレールはいいです。枕木最高です。ホームから見える景色の一部にはレールが横に敷かれていてその全体像がなんかいいです。でも何より好きなのはホームとレールとの段差です。これはかなり重要で、この段差があるから好きってもんです。
仮にホームとレールとの間に段差がなければ、好きにはなれないと思います。なんなのでしょう、あの感じは。ホームから下のレール部分には決して降りることができない。なんか神聖性を感じます。よくよく考えれば、踏み切りぐらいでしか線路の上を通ることは出来ないんですよね。ただ踏み切りは別に好きではないです。決して踏み入ることの出来ない線路、それが唯一道路や歩道などと交わる、なんだかそこだけ異空間な印象を受けます。

ホームの上から電車に乗る時も僅かな空間の隙間があり、そこにはなにか畏怖を感じさえもします。まさか落ちるわけないですが、その微妙な隙間が変に緊張感を与えてくれます。
それは何か生の実感のようなものな気が若干します。
段差よ、ありがとう。