せちやん 死よりも悪い運命 ユ―ジニア

せちやん 星を聴く人 (講談社文庫)

せちやん 星を聴く人 (講談社文庫)

夏のロケットとはうって変わって哀愁漂うストーリー。
夏のロケットでは登場人物が少年のまま大人になっている感じでしたが、せちやんでは、大人に失望したり、挫折したりしてます。
子供のころ憧れていた人が、実は客観的にみると大したことないんだって、気づくと時はなんだか今までのことすべてが恥ずかしくなって、思い出すのも嫌になってしまう。
主人公は一時期せちやんのことをそんな風に思って封印してしまうけど、最後はそこに戻ってしまう。結局世間体を気にしてただけでノンポリだったということか。もの悲しい結末です。

死よりも悪い運命 (ハヤカワ文庫SF)

死よりも悪い運命 (ハヤカワ文庫SF)

相変わらずおもしろい。なんだか愛があるな〜
もちろん日本人に向けて書かれているわけでないので、よく分らない話もありますが、トータルとして十分おもしろいです。

ユージニア (角川文庫)

ユージニア (角川文庫)

おもしろいです。構成がQ&Aに似ているかも。登場人物の一人ひとりに事件に対する考えがあって、それぞれの視点でみると自分の願望も混じったりでけっこう違ったりしている。実は傍観者にすぎないのに、その人にとってはその人が主役で、自分との関係性を無意識に期待し、そうであると思い込んでいる。事件本の作者や警察官など。そして願望で実は単純でおもしろみのない事件を、波乱にみちた内容に誇張してしまう。凶悪な事件には、凶悪な原因がないと納得できなく、あっけに取られ腑に落ちないから、無意識にしてしまう。それに何にしてもみんな実は自分の想像を超えたなにかや、人知を超えたなにかがあると期待してしまっていて、事実都市伝説やら、〜の不思議みたいなのには事足りない。そのようなものに責任転換して事実を事実と認めないのは現実にもよくあるものな〜。
普通に考えて、最後から2番目の章で終わらせるのに、あえて最後の章を追加したころで、よりそういう思い込みを強調いている気がした。