悩む力 風の又三郎 ウナギのダンス 野ブタをプロデュース。 ぐるぐる回るすべり台

悩む力 (集英社新書 444C)

悩む力 (集英社新書 444C)

おもしろかった。夏目漱石はこころを少し読んだことがあるくらいで全然なんですが、夏目漱石の小説や漱石自信の分析というか見解がおもしろく、漱石の小説を読んでみたくなった。愛についてや自我について考えさせられた。
新編 風の又三郎 (新潮文庫)

新編 風の又三郎 (新潮文庫)

グスコーブドリ!命をかけた無償の奉仕。
現実に無償の愛やプレゼント、奉仕など見返りを求めないものが果たしてどれほどあるだろう(強制的にやらされるものは除いて)。打算、損得の勘定、ギブアンドテイクなどもう足し算引き算を繰り返す生活で拙い関係ばかり。まぁでもそれで成り立っているのは否定できないし、なければ成り立たない。
しかし実際にブドリのような行いをする人やその行為馬鹿だと思って卑しむのではなく、尊敬し見習うべきで、その気持ちは忘れたくない。
うなぎのダンス (河出文庫)

うなぎのダンス (河出文庫)

ちょっとものたりないかな。やはりいしいしんじは小説を読みたい。
野ブタ。をプロデュース (河出文庫)

野ブタ。をプロデュース (河出文庫)

これは意外とおもしろかった。ドラマの印象とは違って結構シビアなテーマ。現代版太宰治
自分の上っ面とその本心の二面性がテーマ。野ブタをプロデュースし人気者に作り上げる一方で、自分も作られたものだと強く感じる。それは少しの綻びで壊れてしまうハリボテ同様だと。
この本が売れたのは、多くの人が多かれ少なかれ共感するからで、そう考えると人間関係ってのは綱渡りをするような拙さで成り立ってて、あらためておもしろいなもんだなと思う。
ぐるぐるまわるすべり台 (文春文庫)

ぐるぐるまわるすべり台 (文春文庫)

これはリレキショより良かった。
何か始めようとするんだけど、途中で躊躇してしまい、逃げちゃう。しかも自然なことのように。
責任を感じたくなくて自由でいたいからなのかな。煮え切らない人、なかなか現実には通用しないけど。
今はそういうのもありかなって思える。ラストの場面が映画を見ているように視覚的で印象に残った。考えるより感じる小説。

月に吠えろ、もさわやかで良かった。