砂の女 生きてるだけで、愛

PLUTO 7 (ビッグコミックス)

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次の巻で終わりらしいです。
砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

他の安部さんの作品より文章が艶やかな印象。
思わず引き込まれます。これぞ名作。

孤独とは幻を求めて満たされない渇きのことにほかならない。

砂の中でつねに苦しむ生活は、たまに運動した時に体に負荷がかかってしんどいけれど、生き生きしてくる感じににてて、むしろ常に生を意識する生き生きした人生なのかもしれない、なんて思います。

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

生きてるだけで、愛。 (新潮文庫)

とても面白かったです。メンヘラ系というのでしょうか。
でもなんか笑えるんですよね。悲劇と喜劇は紙一重ですね。

主人公は、躁鬱が激しくなんでただ生きてるだけでこんな疲れるんだろう、と感じています。
そんな自分は自分とは別れられない、あなたは私と別れられていいな〜と恋人に言います。
でも最後には、

クビになるためにバイトするわけじゃないし、眠るために起きるわけじゃないし、別れるために恋愛するわけじゃないし、またあとで鬱になるために立ち直るわけじゃない。

当たり前のことと言えばそうですが、改めて思うと、ちょっと生まれ変わったような新鮮な気持ちになります。