小銭をかぞえる

小銭をかぞえる (文春文庫)

小銭をかぞえる (文春文庫)

おもしろい。表題作はちょっと不快な気持も湧いたが、うまさは感じた。
併収録の「焼却炉行き赤ん坊」がかなり良かった。

こういう私小説的な男の語りものは、表面的な自分と本当の自分とのギャップに悩んでたり(何それ?)、もしくはやたら自意識過剰だったりするのが多い気がするが、この主人公は、単純に最低。もうさわやかなくらい最低。

一時流行った不良ドラマ・映画みたく、実は熱くて良い奴みたいなとこ(いやでもいじめたりしてんでしょ?)が全くない。

DVとかの話もあるから不謹慎なのかも知れんが笑ってしまう。何より人間がうまく書けているな。違うのも読みたい。