きりこについて

帯にチャットモンチーのえっちゃんが大好きです!と推薦してたら読まないわけにはいかないでしょう。西さんの本を読むのはきいろいゾウについて2冊目です。

所々で挟み込まれる猫の視点から人間を評する文章にユーモアがあって面白いです。言いようによっては自分を棚に上げて書かれているとも思うのだけれど、猫がそう思うならそうなんだろうと納得させられます。物心がつく前の子供についての描写にははっとさせられて、忘れていた自分が小さいころを思い出したりした。
扱っているテーマに関しては斬新だとは思えなかったけど(とはいえ常に付きまとう悩みだが)、主人公が尋常じゃないくらいブスだったり、猫がしゃべるなど寓話的でありながらAV女優が〜的な下系の話が混在している絶妙なバランスで、何より登場人物への愛があるなーと思いました。あったかい気持ちになれます。