笛吹川

笛吹川 (講談社文芸文庫)

笛吹川 (講談社文芸文庫)

武田信玄〜勝頼の時代の甲斐の国のとある農民一族を描く本小説。戦や身分制度、病気などで人の死が今よりも身近にある時代の人々を活き活きと描いている。人々の抱く生死観が、なんだか猫のようにそっけないけれどもその生死観なり時代背景を受け入れて生きるしかない虚しさ?哀しさを感じもした。また人間の適応能力からすると現代人もその時代に生きることになったらそのように生きるだろうなという、時代背景や人々の考え方は異なるのに、人の描き方が生々しくとてもリアリティがあり、その異様さにひきこまれた。