alone together

ALONE TOGETHER (双葉文庫)

ALONE TOGETHER (双葉文庫)

ミステリー小説?です。この人の本は初めて読みましたが、この本は文庫で28万部!?も売れてるんですね。しかもMissingというのは46万部!?も売れているみたいです。一気に売れたというよりじわじわ売れているみたいです。
主人公は人の波長に共鳴し、シンクロすることで相手と自分の境界を失くし心の奥底に掃き溜められている澱や深層心理を吐き出さす、催眠術のような誘導尋問のような能力をもっています。
とはいえ、吐き出されるほうは自分でも否定したいけどしがたい感情なり考えを認めなければならず、人の心なんて矛盾だらけで複雑なわけで、その人を壊すことにもなりかねない危険な能力なのです。

そのシンクロの心理的描写はおもしろかったです。なんであんなことしたんだろう?みたいな疑問は深層心理を読めばその根拠が分るのかもしれません。でも表の裏の、その裏の・・・みたいな裏返しの連続で自分の中に矛盾や自分の信念を否定するものなりが解り、自分の汚さ恥かしさなんてのを嫌がおうにも気づかされるわけですよね。心の奥底とまでもいかず、自分でもなんとなくわかってるのだけれど認めたくない事実ってのは結構心の上のほうにもあるんじゃないかな〜だから誰でも日々それに折り合いを付けながら生きているんだと思います。なのでそんなのひっくり返して暴かされた日にゃ、そりゃ人格は崩壊するような。
そんなこんなで人の心はどこまで考え解かる必要があるのかと考えさせられます。もし分かり合うことや理解しあうことが深いことで、共感が表面的なものなのだとしたらどっちがいいのかしら。。てか理解せずに共感するってことは難しいですよね。たぶん共感とか共鳴は感覚的なことなんだと思います。感覚的なことはすばらしいことだけど、上手く説明できないからそれじゃ満足できないときもあるかもしれない。むずかしい。