プラネテス4巻
プラネテス4巻にて宮沢賢治の春と修羅から、以下の詩が引用されている。
この不可思議な大きな心象宙宇のなかで
もしも正しいねがひに燃えて
じぶんとひとと万象といつしよに
至上福祉にいたらうとする
それをある宗教情操とするならば
そのねがひから砕けまたは疲れ
じぶんとそれからたつたもひとつのたましひと
完全そして永久にどこまでもいつしよに行かうとする
この変態を恋愛といふ
この文章は恋愛を見事に解説してると思う。
ちなみにネットの辞書で恋愛を検索すると以下になる。
特定の異性に特別の愛情を感じて恋い慕うこと。また、男女が互いにそのような感情をもつこと。
久々にプラネテスを読み返し、やはり良いな、特にこの引用はと思った。
しかしそれ以上にときめいたのは、春と修羅における先の引用の続きである。
そしてどこまでもその方向では
決して求め得られないその恋愛の本質的な部分を
むりにもごまかし求め得ようとする
この傾向を性慾といふ
これこそ、さらに見事に本質を射抜いている。
ちなみに辞書で調べると性欲は、以下の通り。
男女間・雌雄間の、肉体的な交渉を求める欲望。肉欲。
言葉のイメージ・解釈は人それぞれで、だからその基準が辞書であるというのは、あまりにも大切な感覚をそぎ落としているなぁと思う。
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